「粉の国」の伝統文化を伝えたい

「芽吹き屋」は、岩手県花巻市石鳥谷町で和菓子をつくっています。この地は、長い歴史を通じて、小麦・蕎麦といった雑穀の栽培に適した気候風土。特に花巻の稗（ヒエ）は、日本一の生産量を誇ります。もち米の名産地でもあり、隣接する紫波町で栽培される「ヒメノモチ」は、もち米の中でも特に質の高い品種です。これらを粉にして、練り、茹でたり焼いたり蒸したりして食べる文化が私たちの地域には息づいています。

母や祖母が米を挽いてだんごをつくる光景は、日常のものでした。その日々の光景を伝え、そして残したい。そんな気持ちでつくっていますから、芽吹き屋で作られる和菓子は「伝統文化」そのものです。伝統的な食べ物を、つくり、食べ、伝えることで、私たちは文化を繋ぎます。かつて母や祖母が作ったあの優しい味わい、食感、素朴さを味わってほしいのです。そのために、私たちは最良の素材を選び、伝統的な製法を守り、不必要な添加物に頼らずに、心を込めて作り続けています。